相続:内縁関係の相続について

    公開日:2025年01月15日

    ~パートナーと何年連れ添ったとしても…~

    法定相続人としては認められていません…

     

    内縁関係の夫婦が、何年連れ添ったとしても、婚姻関係にない場合、亡くなった方の戸籍に記載されないため、法定相続人としては認められず、相続権がありません。また、法定相続分も遺留分もありません。


    ただし、以下の権利については認められる場合があります。

    ・遺族年金

    ・埋葬料・葬祭費

    ・死亡退職金

    ・家やマンションの賃借権

     

    財産を内縁のパートナーに渡す方法としては、【生前贈与】【生命保険】【遺言書作成】【特別縁故者】などが挙げられます。

     

    生前贈与

    生活費など以外で年間110万円までの財産の贈与が可能です。ただし、贈与額が年間110万円を超える場合は贈与税の申告が必要です。また、課税対象になる定期贈与とみなされないよう贈与する際には都度「贈与契約書」を作成することをおすすめいたします。


    生命保険を利用する

    内縁関係のパートナーを受取人に指定することが可能です。ただし、受取人になるためには一定の条件を満たす必要があります。また、保険の種類によりかかる税金は異なります。例えば、死亡保険金の保険料を被相続人が負担していた場合、パートナーは相続人に該当しないため、非課税枠の対象外となり、相続税の(2割加算)の課税対象対象となる可能性があります。


    遺言書を作成する

    遺言書を作成することで、被相続人の意思が反映させることができ、法定相続人以外の財産を遺贈することが可能です。ただし、法定相続人から、「遺留分侵害額請求」を受けた場合は、その分を渡す必要があります。また、遺言書の形式によっては無効になることがありますので、「公正証書遺言」の作成をおすすめいたします。

     

    特別縁故者として認められる

    特別縁故者と認められるのは、被相続人に法定相続人がいない場合に限られます。生前には行うことができず、家庭裁判所に申し立てが必要です。1年以上の期間を要することがあり、必ず認められるとも限りません。認められた場合でも、また相続税(2割加算)の課税対象になります。

      

    注意点

    内縁関係の相続は、「相続税の配偶者控除」や「小規模宅地等の特例」などの税務上の優遇は受けられません。

    相続に関する手続きは複雑になりがちです。生前から相続を見据えた適切な対策を講じておくことが大切です。一度、専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。